特定建設業許可へ変更できる?

建設業許可には一般建設業と特定建設業の2種類の許可区分があります。
これについては、1つの業種において一般、特定の両方の許可を同時に取得することはできません。

ただし、例えば、建築工事業は特定許可を、内装仕上工事業では一般許可を取得する、といったように、別々の業種において同じ申請者が特定建設業許可と一般建設業許可を同時に申請することは可能です。

特定許可は、発注者や下請業者を保護し、工事をより適正に行うために設けられている制度ですので、一般許可よりも取得の要件がより厳しくなっています。

建設業許可申請の要件のうち、「経営業務の管理責任者」「誠実性」「欠格要件」については一般許可と共通ですが、「営業所ごとに専任技術者がいること」「財産的基礎または金銭的信用があること」この2つに関しては、より厳しい要件が問われます。

専任技術者に関しては、実務経験で証明する場合、一般許可の要件に加えて、「発注者から直接請け負った工事の請負金額が4,500万円以上の工事に関して、2年以上の指導監督的な実務経験があること」という要件が加わりますし、指定建設業(土木工事業、建築工事業,管工事業、ほ装工事業、鋼構造物工事業、電気工事業、造園工事業)においては1級の国家資格者や技術士の資格などを取得している者でなければならず、さらに要件は厳しくなります。

財産的要件に関しても、より一層厳しい要件が課されています。→財産的要件についてはこちら

一般建設業許可から特定建設業許可(または特定から一般)に変更する手続きは「般・特新規」といい、特定へ変更するには先に説明した要件を満たした上で、新規申請することが可能です。

許可を維持できるかどうかが大切です

特定許可を取得すれば、元請として、大きな規模の工事を受注できる可能性が拡がってきますので、業務の拡大を目指す業者にとっては必要となってくる許可であるといえます。

ただし、以下の点を十分に理解して申請をする必要があります。

一般許可の財産的要件は新規申請時のみ確認がされますが、特定許可の場合は、5年ごとの更新手続きの際に、直近の決算書で財産的基礎の確認が行われます。
もし万が一、直近の決算で、この要件を満たすことができなければ、許可を維持することができず、一般許可への「般・特新規」申請をすることとなります。

財産的要件は更新のたびにクリアする必要があるということです。

自社の今後の財務内容の見通し、そして、技術者などの人材を十分に確保できる体制にあるか、などを考慮した上で、特定建設業許可の申請をしましょう。

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山地博晃