実務経験の証明はココがポイント! | 愛知県での建設業許可編
建設業許可を取得するための要件の1つとして、「営業所ごとに専任技術者を置く」というものがありますが、その専任技術者になることができることを証明するために、大きく分けて2つの方法があります。
① それぞれの業種に対応する特定の資格、免許を持っていること。
② 建設工事の施工についての実務経験があること。
①については多くの資格がありますが、例えば、「土木施工管理技士」や「建築士」「電気工事士」などのことです。 許可を取得したい業種に対応する資格、免許を持っていれば、専任技術者になることができます。
ですが、実際には資格を持っていないケースも多いため、その場合には、「実務経験」があることを証明することになります。 ここでは、この「実務経験の証明」について解説していきます(今回は一般建設業許可についての解説です)
「実務経験」とはどんなものをいうのでしょうか?
建設工事の施工において、土工やその見習いとして従事した経験はもちろんですが、工事を発注する際に設計技術者として設計に従事したり、現場監督技術者として従事した経験も含めることができます。 ただし、単なる工事の雑務経験や、庶務経理事務経験などは含めることはできませんので注意が必要です。
では、何年の実務経験があればよいのでしょうか?
基本的には、10年以上の実務経験が必要となります。ただし、許可を取りたい業種に対応する所定の学科卒業の学歴がある場合、
- 高等学校もしくは中等教育学校卒業(例)○○高等学校土木科卒→5年
- 大学もしくは高等専門学校卒業(例)○○大学建築学科卒→3年
以上のように年数が短縮されます。
経験年数の計算のポイント
実際の実務経験年数の中に、複数の業種の工事経験が含まれている場合は、
その経験年数の中で、許可を取ろうとする業種の経験の割合がどれくらいあるのか?
ということが重要になってきますので、少々注意が必要です。 例えば、所定の学科卒業という学歴がなく、10年の実務経験が必要となるケースで、
- 「10年の経験がある」
- 「その期間に2業種の実務をやっていた」
- 「それぞれの業種の経験が5割ずつ」
であった場合、
許可を取ろうとする業種の年数は 「10年のうちの5割」となり、「5年間」の年数しか認められません。
ですので、実際にはこのケースでは「10年の経験がある」ではダメで、トータルで「20年の経験がある」ことが必要ということです。
実際の申請の際には、その複数業種それぞれの経験の割合を聞き取りされ、その割合で年数を計算して、必要となる実務経験年数があるかどうかを確認されることになります。
実務経験証明書の書き方とは?
申請の際には、経験を証明するために、「実務経験証明書」を作成し、提出します。その内容としては、
- 技術者の氏名、生年月日
- 経験をした時の使用者の商号または名称
- 実務経験の内容(工事名)、その工事に従事した期間
等を記載します。 従事した工事名は、1年(1月から12月)に1件、主な工事を必要年数分(10年必要な場合は10件)を最新のものからさかのぼって記入します。 その工事名も、何の業種かが分かるように具体的に書く必要があります。
そして、必要事項を記入した上で、その実務経験をした時の使用者の証明(記名、押印)を受けます。 原則として、使用者が証明者となりますが、自営での経験の場合、その工事についての実務経験を証明できる建設業許可を受けている同業者に証明してもらうことになります。
以上の解説については、愛知県知事許可の場合です。各都道府県によって、取扱いが異なることがありますので、ご注意ください。
参考になれば幸いです。