名古屋市で建設業許可を取るには?申請先・費用・期間を行政書士が解説

名古屋市で建設業を営んでいて、これから建設業許可を取ろうとお考えの方に向けて、申請先・費用・期間を整理しました。

名古屋市に主たる営業所がある場合、申請先が市役所ではなく県の窓口になる点や、愛知県特有の申請の進み方など、地域によって事情が異なる部分があります。ここを押さえておくと、準備の段取りが立てやすくなります。

結論:名古屋市の事業者の申請先は「愛知県庁」

まず押さえておきたいのが提出先です。名古屋市内の事業者であっても、申請先は名古屋市役所ではありません

主たる営業所の所在地申請先
名古屋市内愛知県 都市総務課 建設業・不動産業室(県庁)
名古屋市以外の愛知県内主たる営業所を管轄する建設事務所

名古屋市内に主たる営業所がある場合の窓口は、次のとおりです。

  • 愛知県 都市総務課 建設業・不動産業室
  • 所在地:名古屋市中区三の丸3-1-2(自治センター2階)
  • 電話:052-954-6503

ここで「営業所」という言葉について整理しておきます。建設業法でいう営業所とは、本店または支店、もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所を指します。契約書に押印する場所だけでなく、見積り・入札・契約締結といった請負契約に関する実体的な行為を行っている事務所が該当します。

また、本店や支店が自ら契約を締結していない場合でも、他の営業所に対して請負契約に関する指導監督を行うなど、建設業の営業に実質的に関与しているのであれば営業所にあたります。

そのうえで、「主たる営業所」とは、これらの営業所を統轄し、指揮監督する権限を有する一か所の営業所のことです(それ以外は「従たる営業所」になります)。通常は本社・本店がこれにあたりますが、名目上の本店で実態がない場合(登記上だけの本店など)は該当しません。登記簿上の本店所在地と必ずしも一致しない点にご注意ください。

一方、岡崎市や豊田市など名古屋市以外の市町村に主たる営業所がある場合は、その地域を管轄する建設事務所が窓口になります。同じ愛知県内でも提出先が分かれますので、まずご自身がどちらに該当するかを確認してください。

愛知県全体の申請の進め方や手引きの入手方法については、愛知県で建設業許可を取得する方法|建設業許可の取り方を徹底解説で解説しています。

名古屋市で許可を取るなら、時間に余裕をもってください

ここが実務上、最も注意していただきたい点です。

愛知県の申請は「仮受付」と「本受付」の2段階

愛知県の建設業許可申請は、書類を出せばすぐ審査が始まる仕組みではありません。次の流れで進みます。

  1. 仮受付(郵送・投函・窓口で書類を預ける)
  2. 内容確認
  3. 連絡・補正
  4. 本受付(愛知県証紙を納めるため来庁)
  5. 審査・補正
  6. 許可

愛知県は、本受付後の審査期間を概ね1か月としています(手引きでは標準処理期間を、行政庁の休日を除いて受付後23日と示しています)。ただしこれは「本受付が済んでから」の期間です。仮受付の段階で書類に不備があれば、その補正にかかる時間は別に必要になります。

つまり、書類を提出してから1か月で許可が下りるという意味ではありません。書類の準備期間、補正のやり取り、本受付、そこから約1か月の審査という全体を見込んでおく必要があります。

なお、愛知県は電子申請(建設業許可・経営事項審査電子申請システム/JCIP)にも対応しています。電子申請で手数料をPay-easyで納付する場合は、窓口へ出向く必要がありません。書類を持って県庁まで足を運ぶ時間が取れない場合は、こちらも選択肢になります。

名古屋市は申請件数が多く、時間がかかる傾向があります

名古屋市は愛知県内でも事業者数が多く、そのぶん申請も集中します。当事務所の実務でも、名古屋市の案件は審査に時間がかかる傾向を感じています。

「元請から許可を求められている」「決まった時期までに許可が必要」といった事情がある場合、逆算して早めに動き始めることが重要です。要件の確認や書類集めに数週間かかることも珍しくありませんので、期限が決まっているなら、その時点でご相談いただくのが安全です。

ポイント:許可が必要になる時期が決まっているなら、書類を集め始める前の段階でご相談ください。要件を満たすかどうかの見通しが立てば、そこから逆算した準備ができます。

知事許可か大臣許可か

名古屋市の事業者がどちらの許可を取るかは、営業所をどこに置いているかで決まります。

営業所の状況許可の種類
愛知県内にのみ営業所がある愛知県知事許可
愛知県と他の都道府県に営業所がある国土交通大臣許可

名古屋市に本社があり、県内の別の場所に支店がある場合は知事許可です。一方、名古屋市に本社があって岐阜県や三重県にも営業所を設けている場合は大臣許可になります。

工事をどこで行うかは関係ありません。愛知県知事許可でも、他県の工事を請けることができます。あくまで「営業所をどこに置いているか」で決まる区分です。

なお、知事許可と大臣許可の違いについては、知事許可と大臣許可とは?建設業許可の種類を徹底解説!で詳しく解説しています。

費用はいくらかかるか

建設業許可の取得にかかる費用は、役所に納める法定費用と、行政書士に依頼する場合の報酬の2つに分かれます。この2つは性質が違いますので、分けて考えてください。

役所に納める法定費用

申請の種類愛知県知事許可国土交通大臣許可
新規9万円(愛知県証紙)15万円(登録免許税)
更新5万円5万円
業種追加5万円5万円

知事許可の手数料は、国の政令が定める標準額にもとづいて各都道府県が条例で定める仕組みになっています。愛知県だから高い・安いということはありません。

上の表は、一般建設業・特定建設業のどちらか一方を申請する場合の金額です。両方を同時に申請する場合は、それぞれについて費用がかかります(知事許可の新規なら18万円)。

この費用は、許可が下りなかった場合でも返還されません。愛知県の手引きにも、申請を取り下げた場合や不許可となった場合に手数料の還付は行わない旨が明記されています。要件を満たしているかどうかを事前にしっかり確認することが、結果的に費用の無駄を防ぎます。

行政書士に依頼する場合の報酬

行政書士に依頼する場合は、上記の法定費用とは別に報酬がかかります。金額は事務所によって異なりますが、新規の知事許可で10万円台から20万円台が一つの目安です。

要件の証明が難しいケース(経営経験の証明に必要な資料が揃っていない場合など)では、別途費用がかかることもあります。見積りの段階で、どこまでが基本料金に含まれるのかを確認しておくと安心です。

当事務所の料金はサービス内容・料金のページで公開しています。費用の全体像については、建設業許可の費用まとめ|申請・更新・代行の相場を一覧で解説もあわせてご覧ください。

書類を揃えれば許可が下りる、とは限りません

ここが、手続きの流れを調べただけでは分からない部分です。

建設業許可は、必要書類を集めて提出すれば自動的に許可が下りる、という性質の手続きではありません。特に許可要件の証明方法については、窓口とのやり取りが結果を左右する場面があります

証明の仕方で結論が変わることがあります

たとえば、経営業務の管理責任者の要件を証明する場面を考えてみてください。

過去の経営経験を証明する資料として何を出すか、その資料で経験期間をどう説明するか、資料に不足がある場合に何で補うか。こうした点は、事案によって判断が分かれます。手元にある資料をそのまま出して認められないケースでも、証明の組み立て方を変えることで認められることがあります。

同じことは、営業所技術者等(旧・専任技術者)の実務経験の証明でも起こります。実務経験を裏付ける契約書や注文書をどう整理し、どの期間の経験として説明するか。ここの見せ方が不十分だと、経験そのものはあるのに認められない、という結果になりかねません。

だからこそ、経験のある行政書士に相談する意味があります

こうした窓口とのやり取りは、件数を重ねていないと勘所がつかめません。どういう資料であれば認められやすいか、不足があるときにどう補うか、という判断は、実際に何度も窓口で確認してきた経験によるところが大きい部分です。

当事務所は名古屋市に事務所を構え、愛知県の建設業許可を専門に扱ってきました。名古屋市の案件も数多く手がけております。ご自身で申請を進めて行き詰まった段階でご相談いただくこともありますが、最初からご相談いただいたほうが、結果的に早く確実に進みます

必要なのは新規取得だけではありません

すでに建設業許可をお持ちの事業者様にも、定期的に発生する手続きがあります。名古屋市は事業者数が多いこともあり、当事務所には新規取得以外のご相談も多く寄せられます。

5年ごとの更新

建設業許可の有効期間は5年です。期間が過ぎると許可は失効し、改めて新規申請が必要になります。更新申請は、有効期間が満了する日の30日前までに提出しなければなりません。

詳しくは建設業許可の更新で失敗しない!|期限切れを防ぐための全手順をご覧ください。

毎年の事業年度終了届(決算変更届)

こちらは見落とされやすい手続きです。建設業許可を受けた事業者は、毎事業年度経過後4か月以内に、工事経歴書や財務諸表などを提出する義務があります(建設業法第11条第2項)。

この届出を出していないと、更新の手続きが進められません。数年分溜めてしまい、更新期限が迫ってから慌てるケースが実際にあります。

詳しくは建設業許可の事業年度終了届(決算変更届)とは?期限・必要書類・出さないとどうなるかをご覧ください。

業種追加

すでに許可を持っている業種に加えて、別の業種の許可を取ることもできます。法定費用は5万円で、新規取得より抑えられます。

ただし、追加する業種についても営業所ごとに営業所技術者等を専任で置く必要があります(建設業法第7条第2号)。ここでいう「専任」とは、その営業所に常勤して専らその職務に従事することをいいます。

なお、1人の技術者が複数の業種の要件を満たしている場合は、その1人で複数業種を兼ねることができます。業種の数だけ技術者を用意しなければならない、というわけではありません。

まとめ

  • 名古屋市に主たる営業所がある場合、申請先は名古屋市役所ではなく愛知県庁(都市総務課 建設業・不動産業室)です
  • 愛知県の申請は仮受付と本受付の2段階で進み、本受付後の審査期間は概ね1か月です。書類準備や補正の期間は別に必要になります
  • 名古屋市は申請件数が多く、時間がかかる傾向があります。期限が決まっているなら早めの着手が重要です
  • 法定費用は知事許可の新規で9万円、更新・業種追加で5万円です。行政書士報酬はこれとは別にかかります
  • 書類を揃えれば許可が下りるとは限りません。要件の証明方法について窓口とやり取りする場面があり、ここが結果を分けることがあります
  • 許可取得後も、5年ごとの更新と毎年の事業年度終了届(決算変更届)が必要です

愛知建設業許可サポートオフィス|やまじ行政書士事務所が選ばれる理由

  • 名古屋市に事務所を構え、愛知県の建設業許可を専門に扱ってきました
  • 要件を満たすかどうかの見通しを、無料でご相談いただけます
  • 書類作成から窓口への申請まで一括で代行いたします

名古屋市で建設業許可をお考えでしたら、書類を集め始める前の段階でご相談ください。要件の確認から逆算した準備をご提案いたします。

土日祝日や夜間のご相談にも対応しております。現場が忙しくて平日の日中に時間が取れない方も、お気軽にお問い合わせください。

やまじ行政書士事務所
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