建設業許可には29業種があり、その中でも「電気工事業」は、電気設備の設置や修繕、配線工事などを行う重要な業種です。この記事では、電気工事業について詳しく解説します。 「自分の仕事は電気工事業に該当するのだろうか?」
「建設業許可を取得するための要件をクリアできているのだろうか?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。本記事では、電気工事業に該当する具体的な工事内容から、建設業許可を取得するための要件について分かりやすく解説します。
許可取得を目指す方や、申請準備に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
建設業許可29業種の電気工事業とは|具体的な工事内容
電気工事業は、建設業許可29業種の一つであり、電気設備に関わる工事を専門とする業種です。具体的には、以下のような工事があげられます。
- 電灯・電力設備の工事
照明設備やコンセントの設置、電気配線工事
変電設備や配電盤の設置工事 - 冷暖房・空調設備に関わる電気工事
エアコンや換気扇などの電源工事や配線接続
冷暖房機器の制御システムへの電気配線工事 - 発電設備・エネルギー設備の工事
太陽光発電システム(ソーラーパネル)の設置および接続工事
非常用発電設備の設置・電源確保工事 - 電気自動車(EV)充電設備の工事
充電スタンドの設置および配線工事
電気工事業は現代の暮らしやビジネスにおいて欠かせない役割を果たしています。住宅やオフィスビル、工場などあらゆる場所で電気は利用されており、確実で安全な工事が求められます。
電気工事業における基礎知識について|元請・下請や業種区分について
続いては、電気工事業の元請や下請の違い、発注者の役割、さらには業種区分などの基本事項について説明します。
下記は電気工事業の基礎情報を分かりやすくまとめた表になります。
| 発注者 | 建設工事の最初の注文者 |
| 元請負人 | 下請業者に工事を発注する責任を持ち、自ら建設業を営む事業者 |
| 下請負人 | 元請業者から工事の一部、または全部を請負う立場の事業者 |
| 下請契約 | 建設業者同士が契約を交わし、元請業者が受けた工事の一部または全部を他の事業者が請負う契約。 |
| 該当業種 | 建建設業29業種の中の「電気工事業」に区分される業種 |
| 工事種類 | 「電気工事」として分類され、建物や構造物の電気設備を対象とする工事 |
| 工事内容 | 発電設備・変電設備・送電設備・構内電気設備の設置など、電気供給に必要な工事全般 |
これらの知識は、電気工事業の受注や施工管理を円滑に行う上で欠かせないものです。特に建設業許可の取得を目指す事業者にとっては、基本事項を正確に理解しておきましょう。
電気工事業の建設業許可を取得するには?【要件について】
電気工事業で建設業許可を取得するためには、主に以下の要件を満たす必要があります。
- 経営業務の管理責任者の要件
- 専任技術者の要件
- 誠実性
- 財産的基礎または金銭的信用
この中でも特に重要なのが、「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」に関する要件です。特に「専任技術者の要件」は、一般建設業と特定建設業で基準が異なるため、十分な理解が必要です。
この記事では、以下の3つのポイントに焦点を当て、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
建設業許可の要件全般や一般建設業と特定建設業の違いについて、さらに詳しく知りたい方は、別の記事で詳細に解説していますので、ぜひそちらもご参照ください。
経営業務の管理責任者の要件
建設業許可では、経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する体制(常勤役員等)が求められます。具体的には、常勤役員等の1人が次のいずれかに該当することが必要です。「常勤役員等」とは、常に企業に常駐し、日常的に業務に従事している役員、個人の場合は個人事業主、又はその支配人を指します。
- 建設業での経営経験が5年以上ある人
建設業で5年以上、会社の経営全般に関わり、業務の実行や意思決定をしてきた経験を持つ人 - 経営業務を執行する権限の委任を受けて5年以上働いた経験がある人
建設業で5年以上、取締役会などから権限を任されて、会社の代表の指示のもとで実際の業務に専念してきた経験を持つ人。 - 経営業務の補佐経験として6年以上働いた経験がある人
建設業で6年以上、経営者の次に重要な立場で、建設工事全体の管理や経営業務に関わってきた経験がある人
このように、経営業務の管理責任者と認定されるためには、建設業において経営に関連する実務経験が5年以上、または補佐経験が6年以上必要です。
【電気工事事業】専任技術者の要件|一般建設業
専任技術者は、営業所において技術的な管理を行う責任者です。一般建設業の許可を取得するためには、専任技術者が以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- 学歴と実務経験
①高等学校または中等教育学校の所定学科(※1)を卒業し、5年以上の実務経験(※2)があること。
② 大学(短期大学・高等専門学校を含む)の所定学科(※1)を卒業、または専門職大学の前期課程を修了し、3年以上の実務経験(※2)があること。 - 10年以上の実務経験(※2)
- 国土交通大臣が認定する資格の保有
(※1)気工事業の場合、指定学科は電気工学又は電気通信工学に関する学科
(※2))電気工事業に直接関わる経験
国土交通大臣が認定する資格とは、電気工事業の場合以下のものが当てはまります。
- 一級電気工事施工管理技士
- 二級電気工事施工管理技士
- 第一種電気工事士(電気工事士法に基づく試験合格)
- 第二種電気工事士(免状取得後3年以上の実務経験が必要)
- 電気主任技術者(一種・二種・三種:免状取得後、5年以上の実務経験が必要)
- 建築設備士(資格取得後1年以上の実務経験が必要)
- 一級計装士(試験合格後1年以上の実務経験が必要)
「第二種電気工事士」などの資格は、取得するだけでなく、その後に一定期間の実務経験が必要となる場合があります。例えば、第二種電気工事士の場合は免状交付後3年以上の実務経験が求められるように、資格ごとに必要な経験年数が異なる点に注意しましょう。
【電気工事事業】専任技術者の要件|特定建設業
特定建設業は、大規模かつ複雑な工事を扱うことが多いため、高度な技術力と豊富な経験が必要です。そのため、特定建設業の建設業許可を取得するためには、専任技術者に対して一般建設業よりも厳しい要件が求められます。
特定建設業の専任技術者になるためには、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- 国土交通大臣が認定する資格の保有
- 一般建設業許可の専任技術者の要件を満たしているかつ、元請として4,500万円以上の工事で2年以上指導監督的な実務経験がある
- 国土交通大臣が同等以上の能力を認定した人
電気工事業の場合、以下の資格が認められています。
- 一級電気工事施工管理技士(建設業法「技術検定」)
- 技術士(電気電子部門・総合技術監理部門)(技術士法「技術士試験」)
これらの資格を保有することで、高度な技術力と管理能力が証明され、特定建設業の専任技術者として認められます。
次に「一般建設業許可の専任技術者の要件に加えて、元請として4,500万円以上の工事で2年以上の指導監督的な実務経験が必要」という要件について説明します。
特定建設業の専任技術者として認定されるためには、まず一般建設業の専任技術者要件を満たしていることが前提条件です。その上で、元請として4,500万円以上(消費税および地方消費税を含む)の工事において、2年以上にわたって指導監督的な立場で経験を積んでいることが求められます。
「指導監督的な実務経験」とは、単なる現場作業ではなく、現場責任者や管理者として工事全体の運営に携わった経験を指します。
電気工事業の建設業許可を取得したい方は「やまじ行政書士事務所」へ
今回は、建設業許可29業種のうちの1つである「電気工事業」について詳しく解説しました。電気工事業は、建物や施設の電気供給に関わる重要な業種であり、配線の設置や電力設備の取り付け、電気機器の接続、修繕など、専門的な知識と技術が求められる工事を担当します。
ただし、電気工事業で建設業許可を取得するためには、いくつかの要件をクリアし、その条件を証明するための書類を提出する必要があります。特に特定建設業の場合は、元請として高度な技術や管理能力が求められるため、一般建設業よりも追加の書類や経験証明が必要です。申請内容に不備があると再提出が必要となり、手続きの遅延にもつながるため、十分な準備が重要です。
そのため、初めて許可申請を行う方や、日々の業務で忙しく申請準備に時間を割けない方には、行政書士などの専門家に依頼することをおすすめします。当事務所「やまじ行政書士事務所」では、無料の要件診断や、申請書類の作成サポートを行っております。手続きでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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