建設業許可には29業種があり、その中でも「消防施設工事業」は、火災を未然に防ぐための設備の設置やメンテナンス、消火設備や避難設備の設計・施工など、安全な暮らしを支えるための重要な業種です。地域の防災環境を整え、人々の安心と安全を守る役割を担っています。
「自分の仕事は消防施設工事業に該当するのだろうか?」
「建設業許可を取得するための要件を満たせているのだろうか?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、消防施設工事業に該当する具体的な工事内容から、建設業許可を取得するための要件について分かりやすく解説します。許可取得を目指す方や、申請準備に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。建設業29業種について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
消防施設工事業とは|具体的な工事内容について
「消防施設工事業」は、建設業29業種の一つで、火災を未然に防ぐための設備や消火・避難設備の設置・設計・施工を行う業種です。この業種に該当する工事内容は、地域社会の安全と安心を支えるだけでなく、防災意識の向上や災害被害の軽減、持続可能な防火対策を推進する重要な役割を果たしています。
具体的な工事内容は以下の通りです。
- 消火設備工事
スプリンクラーや屋内消火栓、消火器などの設置工事を行います。施設の構造や用途に合わせた適切な設備設計と施工を通じて、火災発生時の迅速な消火を可能にします。 - 警報設備工事
火災報知機や非常ベル、避難誘導灯などの警報設備を設置します。建物内で火災が発生した場合に早期に知らせ、迅速な避難を支援するための重要な工事です。 - 避難設備工事
避難ハッチや滑り台、避難用階段などの設置工事を行います。災害時に安全かつ迅速に避難するための施設を整備し、利用者の生命を守ります。
具体的な施工例としては、「学校や病院へのスプリンクラー設備設置工事」や「商業施設での火災報知機や誘導灯の設置」、「高層マンションへの避難設備整備」などが挙げられます。
消防施設工事業で建設業許可を取得するためには【要件について】
消防施設工事業で建設業許可を取得するためには、満たすべき要件がいくつかあります。その要件として、以下の4つが挙げられます。
- 経営業務の管理責任者の要件
- 専任技術者
- 誠実性
- 財産的基礎または金銭的信用
特に重要なのが「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」に関する要件です。これらは消防施設工事業における許可取得の核となる部分であり、特に「専任技術者の要件」は、一般建設業と特定建設業で求められる基準が異なるため、正確な理解が必要です。
ここからは、消防施設工事業で建設業許可を取得するためのポイントを、初心者の方にも分かりやすく3つに分けて解説します。
建設業許可の4つの要件や、一般建設業と特定建設業の違いについて詳しく知りたい方は、別の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらもご参照ください。
【消防施設工事業】経営業務の管理責任者の要件
消防施設工事業で建設業許可を取得するためには、「経営業務の管理責任者」が必要です。この役職には一定の経営経験が求められます。
経営業務の管理責任者として認定されるためには、常勤役員等が次のいずれかの条件を満たす必要があります。「常勤役員等」とは、日常的に企業の経営に従事し、事務所に常駐して業務を行う役員、個人の場合は個人事業主、又はその支配人のことです。
- 建設業での経営経験が5年以上ある人
建設業において、経営者として5年以上事業の運営に携わった実績を持つ方。 - 建設業で5年以上、意思決定や業務管理に関わった経験がある人
会社の経営全般に携わり、取締役として業務の実行や意思決定に貢献した経験がある方。 - 権限を委任され、5年以上業務に従事した経験がある人
代表者から業務執行の権限を任され、実質的な経営責任を持って働いてきた方。 - 経営の補佐役として6年以上の経験がある人
経営者をサポートする立場で、6年以上にわたって建設工事全体の管理や経営業務に携わった実績がある方。
経営業務の管理責任者に認定されるためには、5年以上の経営経験または6年以上の補佐経験が必要とされます。
役職名や立場だけではなく、実際に経営判断や業務執行に関わった証明が求められるため、経験の内容をしっかりと整理しておくことが重要です。
経営業務の管理責任者についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
【消防施設工事業】専任技術者の要件|一般建設業
専任技術者とは、施工技術や品質管理を営業所に所属し、技術的管理を行う重要な役割を果たす人物です。消防施設工事業で一般建設業の許可を取得するためには、専任技術者が以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- 学歴と実務経験
①高等学校または中等教育学校の指定学科(建築学、機械工学、電気工学に関する学科など)を卒業し、5年以上の実務経験があること。
② 大学(短期大学・高等専門学校を含む)の指定学科を卒業、または専門職大学の前期課程を修了し、3年以上の実務経験があること。 - 10年以上の消防施設工事業に関する実務経験
学歴や資格がなくても、消防施設工事業に10年以上従事した実務経験があれば、専任技術者の要件を満たします。 - 法令に基づき定められた資格の保有
消防施設工事業の対象となる資格は以下の通りです。
・甲種消防設備士(第1~5類)
・乙種消防設備士(第1~7類)
【消防施設工事業】専任技術者の要件|特定建設業
ここからは、特定建設業の許可を取得する際の専任技術者の要件について、解説します。
- 法令に基づき定められた資格の保有
- 一般建設業許可の専任技術者の要件を満たしているかつ、元請として4,500万円以上の工事で2年以上指導監督的な実務経験がある
- 国土交通大臣が同等以上の能力を認定した人
ここでいう「指導監督的な実務経験」とは、現場作業員としての業務ではなく、消防施設工事の全体運営や管理を担う責任者としての経験を指します。このような経験が求められるのは、特定建設業の場合、高度な管理能力が重視されるためです。
たとえば、「現場全体の統括や施工計画の管理を行った経験」や「現場の進行管理を担当した経験」などの経験が該当します。
消防施設工事業で建設業許可を取得したい方は「やまじ行政書士事務所」へ
今回は、建設業許可29業種のうちの1つである「消防施設工事業」について詳しく解説しました。消防施設工事業は、スプリンクラー設備や火災報知器、誘導灯などの防災設備の設置・施工などを行う業種です。これらの工事には、専門的な知識と高度な技術力が求められます。
消防施設工事業の建設業許可を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 経営業務の管理責任者の要件
- 専任技術者の配置
- 誠実性
- 財産的基礎の要件
これらの中でも、特に「経営業務の管理責任者の要件」や「専任技術者の要件」は複雑です。また、建設業許可を取得するためには、これらの要件を証明するための書類を適切に準備し、申請することが必要です。
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